フリーターという言葉は今ではすっかりと社会に浸透していますが、フリーターには、正社員に採用されず仕方なくフリーターをしている者と、自分の夢の実現のためや他にやりたいことがあるためフリーターで生計を立てている者とがいます。
比較的新しい言葉にフリーターがあります。正社員にならずに日々の生活費を稼いでいる人たちがフリーターです。アルバイトやパートタイマー等で生計を立てている人を指す言葉です。フリーアルバイターとも言われており、職種を指す言葉ではなく、どういった働き方をしているのかを識別するための用語です。
フリーターの実態を把握するための調査を厚生労働省が行ったのは1991年です。この時にフリーターとして調査対象となった人たちは15歳〜34歳の男性か未婚の女性で、在学もしくは就職していない者とされました。どこかに雇われて仕事をしている人の場合でも、正規雇用ではなくパートタイマー、アルバイトとして扱われている人は該当しています。派遣やアルバイト、パートの仕事を探している人もフリーターのカテゴリに当てはまるものとします。学生や家事見習い、正社員を希望する求職活動中の人は除外されます。
この言葉はアルバイト情報誌の編集長が発案した造語で、初出は1997年です。そしてその後、広辞苑に載るほどに成長しました。日本で作られた単語なので、英語にはフリーターという言葉はありません。フリーランスとアルバイターを組み合わせた和製英語です。英語ではパーマネントパートタイマーという表現になるようです。
正規の仕事につかず、アルバイトによって日々の生活費を稼ぎながら音楽家や役者などの夢の実現に打ち込むという若者層は、バブル経済の頃は多く存在していたようです。そういう若者に対しては、プータローと蔑視した呼び方ではなく、人生を真剣に考える若者として応援したいという意味から、フリーターという言葉が生まれたのです。
1980年代に生まれたフリーターという言葉は、景気がよかった当時の世相を反映していたかもしれません。雇用の場は慢性的な人手不足状態であり、建設ラッシュや24時間営業の店が拡大されたことで、正規採用の枠に囚われないフリーのアルバイターの手が必要とされていました。たくさんの仕事があったので、夢を追う等の理由から、あえて正社員として就職しなくてもフリーターとして生活を営む事が十分に出来たのです。
その後にバブル経済期が終了し、景気の低迷期に入るとアルバイトは一層使われるようになりました。企業の業績が悪化したため、正社員を採らずアルバイトを活用するようになったからです。たくさんの企業が正社員の新規採用を大幅に減らした為、就職活動をしていた多くの若者が就職出来ないといった現象が起きました。結果的に、正社員を臨んでいながらもアルバイトやパートの仕事をしなければならないという人が出てきています。
厚生労働省が定義するフリーターの総人口は、1991年のバブル期には約62万人でした。バブル期以降、フリーターは急増し2003年には217万人に達すまでになりました。正社員が少なくなったという就職市場の変化は、求人側の情勢が重要なファクターとなっています。バブル崩壊によって業績が悪化した各企業は、主要な労働力をアルバイトなどにシフトし正社員を採らないことで経費を抑制しています。また、新卒の採用にこだわらず、正社員を採用するに当たって即戦力になる経験者を求める企業も増えました。正社員を希望して熱心に就職活動を続けていても、経済活動の低下に伴い採用の動きが変化したことによって、正規雇用につくことが困難になっています。
近年の景気の回復による事業拡大等により、企業は再び新規社員を積極的に採用するようになりました。フリーターの人数は徐々に減ってきています。ニートやフリーターを減らすために日本政府は幾つかの政策を打ち出しており、その結果は少しずつ出ています。
実際、就職出来ずにフリーターやニートになる若者の人数が減少しています。それ対して、就職人口の総数と高校生と大学生の就職率は増加傾向にあります。バブルがはじける直前の80年代末期くらいまでには、雇用状況は好転しています。そのまま、景気が上向いていくにつれてフリーター数は減少するのでしょうか。
フリーターの就職事情は、現代の若者の考え方が変わってきている為に、フリーターの人数が減るという楽観的な考え方は出来ない様です。フリーターという道を選んだ若者たちの動機には、正社員としての雇用先が見つからなかったというものの他に、仕事の他にやりたいことがある、というものがあります。
現代の若者は景気回復や政府対策によって、就職出来る環境が整っているのにも関わらず、自ら希望してフリーターを選んでいる人が非常に多いのがフリーターの就職事情です。バブルがはじけたばかりの時代は、他に選択肢がなくフリーターとなった人たちがいました。就職が厳しい中で正社員を獲得したという人や、団塊世代のこれからも正社員でいつづけたいという人たちからすれば、あえて定職につかないフリーターは奇異に映るかもしれません。